のぶさんのデジカメ散歩

リタイア後の気侭な人生、デジカメ散歩を謳歌してます。
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日本の伝統 2017 春

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20170415-001
ものづくり×伝わる場所
京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」をテーマに、私たちの暮らしを彩る伝統的な“もの”をご紹介しています。
昨年度に続き、「日本のものづくり/伝わる場所」として、日本各地で伝承される工芸品がどのように育まれ、“ものづくり”として紡がれてきたのか、工芸品のもつ技と美を、日本の四季に合わせて表現いたします。
今回のテーマは「春を感じる」。私たちは季節ごとにうつろう自然の変化を感じ、四季のもつ美しさを日々の暮らしの中に取り入れています。春は新しい息吹が感じられる季節です。花が咲き、緑が豊かになり、そして華やいだ空気の中に人々は春を感じて心躍らせます。伝統の中にある春を感じていただけると幸いです。

日本の伝統 20170415-002
春を感じる~ものづくり×伝わる場所~

芝原人形× 千葉県
起源:明治時代
場所:千葉県長南町
<ものと場所の繋がり>
千葉県長南町の芝原人形は明治時代から伝承される郷土人形です。江戸時代から伝わる土人形の系統で、京都の伏見人形から浅草の今戸人形、そして芝原人形へと技術は伝承されてきました。素焼きされた石っころ雛ともいわれる芝原人形は、振るとカラカラと音がして、素朴ながら味わい深く、長生郡のひなまつりにも飾られました。縁起物や、玩具として、飾られた空間を愛くるしい姿で気持ちをほのぼのとあたたかくしてくれます。

南木曽ろくろ細工×長野県
起源:江戸時代
場所:長野県木曽郡南木曽町
<ものと場所の繋がり>
南木曽ろくろ細工は、長野県木曽郡南木曽町周辺で作られる木目の美しい木工品です。木曽川と山に囲まれた豊かな森林で育ったトチ、ケヤキ、セン、カツラなどの名木(めいぼく)から、木地師(きじし)と呼ばれる職人によって選木され作られます。江戸時代、木地師たちが集まったことで、南木曽は「木地師の里」と呼ばれるようになりました。木地師たちのろくろを使った高い技術が引き出す木目の美しさは、豊かな自然と季節が感じられます。

九谷焼×石川県
起源:江戸時代
場所:石川県加賀市
<ものと場所の繋がり>
九谷焼は、江戸時代に石川県加賀市の九谷で焼かれたことから、九谷焼と名がつけられた色絵の陶磁器です。「上絵付けを離れて九谷はない」といわれるほどの色彩の豊かさが特徴で、緑、黄、赤、紫、紺青の五彩の上絵具で絵付けされます。本職の絵師が絵付けしたことで、目を見張るほどの細かな模様や金の装飾といった豪華絢爛な焼物が生み出されました。九谷焼は豊かな色と技術で、京都に並ぶ伝統工芸王国石川県の工芸品のひとつとなっています。

土佐和紙×高知県
起源:不明
場所:高知県土佐市
<ものと場所の繋がり>
土佐和紙の起源は定かではないものの、平安時代の文献に登場する歴史のある和紙です。良質な和紙には、良質な水と楮*(こうぞ)が欠かせません。土佐の楮は他に比べ繊維も太く長いことから、丈夫な紙に仕上がります。 仁淀川の豊かな水と、周辺で育てられた質の良い楮が、土佐和紙の歴史を作ってきました。薄くて強い土佐和紙は、現在、文化財修復用紙として海外からも高い評価を受けています。
*楮…和紙の原料の植物

栃尾てまり×新潟県
起源:昭和58年
場所:新潟県長岡市
<ものと場所の繋がり>
新潟県長岡市の山沿いでは、昔から養蚕や機織りが盛んでした。女性たちが子供や孫のために、クズ繭(まゆ)の糸や紬(つむぎ)の残り糸を使い、手かがりてまりを作りました。手かがりてまりには、昔からある遊び玉といわれるものと、栃尾てまりのように、節句などに子供の健やかな成長を祈って飾る飾り玉があります。色とりどりの絹糸(きぬいと)でひと針ひと針多彩な模様に、思いと願いを込めて作られています。

日本の伝統 20170415-011

日本の伝統 20170415-012
芝原人形(しばはらにんぎょう)
<人形> 千葉 惣次 作
千葉県指定伝統的工芸品である芝原人形は、素朴な味わいのある郷土玩具として親しまれています。
展示品は、芝原人形制作の四代目、千葉惣次氏の作品です。日本画で使う貝の粉である胡粉(ごふん)をかけて白く塗り、その上に泥絵具で彩色することで鮮やかさを際立たせています。
端午の節句に人気の金太郎は、男の子が無事に成長し、強く逞しく育つようにと願いが込められています。

日本の伝統 20170415-005

日本の伝統 20170415-006
南木曽ろくろ細工(みなみきそろくろざいく)
<花器> ヤマイチ小椋(おぐら)ロクロ工芸所 製造
ろくろ細工の花器は、同じ形でも木質と年輪によりそれぞれ異なる味わいを魅せてくれます。
展示品は、桜の木で作られたUFO花器と呼ばれる南木曽ろくろ細工です。花器を作る際には木目により違いが出るため、入念に名木(めいぼく)を選定します。そして名木を輪切りにし、ろくろの上で回しながらカンナをかけるという熟練技で作られ、ふたつとない趣深い作品に仕上がります。

日本の伝統 20170415-003

日本の伝統 20170415-004
九谷焼(くたにやき)
<飾り皿> 桜 舞 古田 弘毅 作
九谷焼には、陶土*1で作られる陶器と、陶石*2で作られる磁器の2種類があります。
展示品は古田弘毅氏作の陶器の飾り皿です。この作品は、九谷焼の特徴である五彩で描くことで、煌びやかな色合いを創出しています。さらに銀で華やかな桜の花びらが描かれており、陶器がもつ土の柔らかさと桜の華やぎの中にある儚さが飾り皿の上に広がります。

*1陶土とは陶器の原料の粘土のことです。
*2陶石とは磁器の原料の岩石のことです。

日本の伝統 20170415-007

日本の伝統 20170415-008
土佐和紙(とさわし)
<和紙> モリサ工房 製造
和紙は暮らしの中に根付き、ふすまや障子などの日本文化の暮らしの中で用いられてきました。
展示品は、歴史ある土佐和紙で、職人の高い染色技術で染められた、特に色合いが美しい土佐七色紙です。
現代では、パルプやレーヨンなどの素材を加えた、伝統ある技術の、薄く光沢性の強い、多様な柄のラッピングペーパーが人気です。

日本の伝統 20170415-009

日本の伝統 20170415-010
栃尾てまり(とちおてまり)
<てまり> 栃尾てまりの会 作
栃尾てまりは飾り玉と呼ばれる、子や孫の成長を願って作られるてまりです。栃尾てまりの会は現在、50代~80代の約100人の会員が活動中です。
伝承されてきた模様のてまりの他、会員が新たな模様のてまりを創作しており、多種多様な模様を誇ります。絹糸が織りなすてまりの模様は、子供の幸福を祈る思いにあふれています。


京葉銀行本店営業部 : 千葉市中央区
Panasonic LUMIX GH3
2017.01.08  撮影
【 2017/05/19 (Fri) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2017 新春

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20170108-001
 京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」をテーマに、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な❝もの❞をご紹介しております。
今年度のテーマは「日本のものづくり/伝わる場所」❝ものづくり❞としての伝統が伝わる場所に焦点を当てながら、伝統工芸品などが生み出された時代背景や文化、受け継がれてきた歴史とともに、技と美で作られた❝もの❞、現代の新たな感性をとりいれた❝もの❞で季節を表現いたします。
 今回のテーマは「あたたかな冬」。寒い日に家族で囲むお鍋、仲間で酌み交わすお酒、あたたかい場所には自然と人が集まり、心まであたたかくなります。寒いからこそ感じられる❝あたたかさ❞を皆様にも感じていただければ幸いです。

日本の伝統 20170108-002

あたたかな冬

南部鉄器×岩手県
起源:江戸時代
場所:岩手県盛岡市
<ものと場所の繋がり>
盛岡では、鉄器の原材料である良質な砂鉄などが産出されることから、南部鉄器づくりが盛んになりました。江戸時代には鉄瓶といえば南部鉄器といわれるほど有名になり、盛岡は鋳物(いもの)の町として発展してきたのです。

伊賀焼×三重県
起源:奈良時代
場所:三重県伊賀市
<ものと場所の繋がり>
伊賀焼の土鍋が耐火性に優れているのは、土の特性です。伊賀市には昔、琵琶湖の祖とされる大山田湖がありました。湖底の土が有機物を多く含むため、焼きあげると細かな穴ができ、高温でも割れにくくなるのです。

本納絵馬×千葉県
起源:江戸時代
場所:千葉県茂原市
<ものと場所の繋がり>
本納絵馬は、江戸時代に初代矢部久右衛門(やべきゅうえもん)が茂原市本納で創業し、現在に伝わっています。古事記にも登場する弟橘姫(おとたちばなひめ)(日本武尊(やまとたけるのみこと)の妃)の御陵もある本納、橘樹神社(たちばなじんじゃ)に二代目翠堂(すいどう)氏の大絵馬が奉納されています。

菰樽(こもだる)×兵庫県
起源:江戸時代
場所:兵庫県尼崎市
<ものと場所の繋がり>
現代では、鏡開きに欠かせない菰樽(こもだる)ですが、尼崎市では昔から農家の冬の仕事として菰(こも)縄作りが盛んに行われていました。酒どころの灘や伏見に近いこともあり、菰樽作りが伝統産業として根付いています。

尾州織×愛知県 
起源:奈良時代
場所:愛知県尾州(尾張)地区
<ものと場所の繋がり>
尾州織は、昔の尾張国である一宮市を中心とした尾州地区で作られる毛織物です。木曽川の水と肥沃(ひよく)で温暖な尾張平野が、麻や綿の栽培に適した土壌を生み出し、尾州地区は、繊維産業が盛んになりました。

日本の伝統 20170108-003

日本の伝統 20170108-003-02
南部鉄器 (なんぶてっき)
 南部鉄器は、現在の盛岡市で江戸時代から作られ始めました。南部藩が茶道の釜を作る釜師を京都から盛岡に招き、茶の湯釜を作りました。その後、茶の湯釜を小さくし、取っ手と注ぎ口をつけた鉄瓶となったことで、南部鉄器として全国に知られるようになりました。
 展示品は、明治時代から大正時代にかけて考案された南部型という形です。その胴が垂れ下がったような形は、南部鉄器を代表するデザインです。特徴である霰文といわれる文様は、真鍮の細い棒を使い、鉄を流し込む鋳型に小さなくぼみを何千とつけてできあがる職人技です。保温性に優れた鉄器は、手軽に鉄分が取れることからも、近年人気が高まっています。鉄瓶を沸かす味わい深い音と、立ち上がる湯気があたたかさを感じさせてくれます。

日本の伝統 20170108-004

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本納絵馬 (ほんのうえま)
本納絵馬は、現在の茂原市本納で、江戸時代後期に創業され継承されてきました。本納絵馬を制作する矢部家の五代目である日本画家の矢部宏さんが、室内装飾用の絵馬という形に発展させました。一枚一枚日本画として手描きされる絵画性の高い絵馬です。
 馬は昔から神の乗り物として、祈願する際に奉納されていました。やがて馬の代わりに、精霊が宿ると信じられた木の板に馬の絵を描き、家の形をした屋根形が一般的になりました。
 今年は酉年。鶏は❝明けの鳥❞ともいわれ、新しい年に一番最初に鳴くとこから縁起が良いとされ、幸せを取りこむともいわれます。展示品の絵馬の鶏のように心あたたまる年にしたいものです。

日本の伝統 20170108-005

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菰樽 (こもだる) 
鏡開きに使われる菰樽は江戸時代を起源としています。当時、灘、伊丹、伏見のお酒が江戸で人気となり、船で酒樽を運んでいたのです。酒樽を運ぶ際、樽がこわれないよう、藁で編んだ菰(むしろ)を巻きつけました。巻き付ける菰には、日本酒の銘柄ごとの特徴を焼きつけた印菰という、現在のラベルにあたるものがデザインされるようになりました。最近では趣向を凝らしたデザインや、松竹梅、鶴亀、富士山などを使った日本らしい柄も人気です。
展示品は、数少ない菰樽作りの一軒である尼崎の岸本吉二商店の熟練した職人技により作られた菰樽です。おめでたく華やぎのあるデザインは、幸せな気分をもたらします。

日本の伝統 20170108-006

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尾州織 (びしゅうおり)
尾州織は、現在の愛知県北西部の一宮市を中心とした地域で発展した織物です。歴史は古く、奈良時代には麻が織られ、その後、絹が織られるようになりました。江戸時代になると綿織物が盛んになり、秋になると尾張平野は一面、白色の綿花で覆われていました。明治時代からウールを使った毛織物が作られ始めると、普段着としてよく着られるようになりました。
尾州織は、時代の変化にその都度対応する柔軟さで、伝統工芸品として発展し、現在では、尾州の毛織物は全国一の生産量を誇ります。
展示品である尾州織のウールの着物は絹と比べるとシワになりにくく、保温性、撥水性にも優れています。シンプルなデザインながら機能性を併せ持った美しい尾州織をご堪能ください。

日本の伝統 20170108-007

日本の伝統 20170108-007-02
伊賀焼き (いがやき)
熱に強い特性をもち、土の風合いが特徴の伊賀焼きは、歴史も古く奈良時代が始まりとされています。当初は日用のお皿やお鍋などが作られていましたが、桃山時代には伊賀国領主のもと、茶道具の水指や花入れが焼かれるようになりました。これが後に、川畑康成が日本文化の代表と絶賛した古伊賀です。
そして江戸時代になると、再びお皿やお鍋が中心となり、現在の伊賀焼きにつなががっていきます。
展示品は、伊賀焼きの中でも優れた技術と伝統をもつ土楽窯で作った土鍋です。ぬくもりのある素朴さを兼ね備えた❝ねぎぼうず❞という名前のこの土鍋は、使うほどに趣きのある色合いの変化を見せます。寒い日の鍋料理は冬の楽しみのひとつです。

* 古伊賀とは、古い時代の伊賀焼のことで桃山時代に焼かれたものを指します。


京葉銀行本店営業部 : 千葉市中央区
Panasonic LUMIX GH3
2017.01.08  撮影
【 2017/01/18 (Wed) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2016 秋

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20160925-001

京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」をテーマに、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な“もの”をご紹介しております。今年度のテーマは「日本のものづくり/伝わる場所」。
“ものづくり”としての伝統が伝わる場所に焦点をあてながら、伝統工芸品などが生み出された時代背景や文化、受け継がれてきた歴史とともに、技と美で作られた“もの”、現代の新たな感性を取り入れた“もの”で季節を表現いたします。
今回は「美味しい秋」。秋は山々が美しく色づき、稲穂が黄金に光る、実り豊かな収穫の季節でもあります。大正から昭和に活躍した芸術家、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)は「器は料理の着物」と、器と料理の関係を追求しました。旬のものを、美味しく美しく見せる器を通して、皆さまにも「美味しい秋」を感じていただければ幸いです。

日本の伝統 20160925-002

美味しい秋

輪島塗×石川県
起源:室町時代
場所:石川県輪島市
<ものと場所の繋がり>
能登半島の豊かな森は材料となる木々や漆を育て、気候は漆の乾燥に適しています。能登半島の土の大半を占める珪藻土(けいそうど)※は輪島塗の下地にも使われています。
※珪藻土とは植物性プランクトンの遺殻が化石からできた堆積岩で、能登の埋蔵量は日本一です。

波佐見焼×長崎県
起源:慶長4年
場所:長崎県波佐見町
<ものと場所の繋がり>
波佐見焼は、古くから庶民の器として浸透してきました。現在も長崎県波佐見町内の多くの人々が窯業の仕事に就き、全国の食器の約13%を生産しています。最近ではモダンなデザインのものが注目を集めています。

曲げわっぱ×秋田県
起源:不明
場所:秋田県大館市
<ものと場所の繋がり>
大館曲げわっぱは、秋田県大館の天然秋田杉から作られます。大館市は、世界遺産白神山地に属している県の北部と青森県との県境に位置し、天然秋田杉は、細かい年輪と柔軟性、強度をもち日本三大美林※のひとつとされています。
※日本三大美林とは木曽ヒノキ、青森ヒバ、秋田杉です。

備前焼×岡山県
起源:平安時代
場所:岡山県備前市
<ものと場所の繋がり>
備前焼に使われる粘土は、岡山県備前市伊部(いんべ)の地から採取されます。「ひよせ」と呼ばれる田んぼの耕作土の直下の粘土で、アルカリ分が強く、その土と炎が焼成中に千変万化の窯変(ようへん)※をもたらします。
※窯変とは焼成中に火焔の性質により、酸化したり、または灰が器に降りかかり予期しない焼肌を見せることです。

ガラス×千葉県 
起源:昭和36年
場所:千葉県九十九里町
<ものと場所の繋がり>
九十九里に工房を構えるスガハラ(菅原工芸硝子)。海近く、緑豊かな九十九里の地は、高いデザイン性を生み出し、毎年新たなデザイン製品を数多く誕生させます。

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日本の伝統 20160925-008

輪島塗(わじまぬり)
輪島塗は、最古の作が室町時代とされていますが、現在の技法は江戸時代から伝わるもので、重要無形文化財に指定されています。他の漆器にない丈夫な作りは、破損しやすい部分に「布着(ぬのき)せ」という漆(うるし)を染みこませた布を貼り、「地の粉(じのこ)」と呼ばれる珪藻土(けいそうど)*1を下地に塗り重ねることで生まれます。数多くの工程が手作業で行われ、いくつかに分業化することで個々の技術が向上してきたのです。この分業化された工程のすべてを統括するのが塗師屋(ぬしや)*2です。その塗師屋も江戸時代では全国を回って、新しい文化や教養を学び、輪島塗に活かす研究を重ね、そして優美なものに高めていったのです。展示品は曽我路幸(そがみちゆき)氏作、蒔絵(まきえ)*3の輪島塗です。秋の味覚を色づく紅葉の椀でいただく、深まる季節を感じます。

*1珪藻土とは植物性プランクトンの遺殻が化石からできた堆積岩で、能登の埋蔵量は日本一です。
*2塗師屋とは漆器を製作から販売まで一貫して手がける人、またはその家を意味する言葉です。
*3蒔絵とは漆で絵を描き、乾かないうちに金や銀の細かな粉を蒔き付ける技法です。

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波佐見焼(はさみやき)
波佐見焼は、長崎県波佐見町で安土桃山時代の末期から江戸時代の初期にかけて作られ始めました。磁器といえば当時は高級品で庶民にとっては高嶺の花でしたが、「くらわんか碗」の登場により、庶民が手軽に磁器を使えるようになりました。この名前の由来は、江戸時代、大阪-京都間の交通である淀川を往来する船に、「餅くらわんか、酒くらわんか」と小舟から声を掛けながら売った商人の言葉からきています。巨大な窯で一度に大量に焼きあげ、簡単な絵付にしたことで、手ごろな値段で庶民に広く受け入れられました。丈夫で壊れにくく素朴なデザインが波佐見焼の特徴です。展示品は波佐見町に窯を持つマルヒロ(馬場商店)の蕎麦猪口(そばちょこ)です。旬の新そばを、様々な模様の蕎麦猪口でいただくことも、秋の楽しみです。

日本の伝統 20160925-003

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曲げわっぱ(まげわっぱ)
大館曲げわっぱの制作は、江戸時代、大館藩主により奨励され盛んになりました。その後、新潟や関東、京都へも流通し、その技術は今に伝わっています。天然秋田杉を薄く剥ぎ、曲げる加工は、均一な厚さになるよう両端をそれぞれ薄くする工程が大変難しく、出来栄えを左右する大切な技術です。柔軟性と強度を持つ天然秋田杉は、日本三大美林* のひとつとされています。近年、天然杉が減少し、伐採が禁止されました。そこで職人、組合と秋田県立大学が加工の難しい造林杉(ぞうりんすぎ)を材料に使えるよう共同研究を進めています。展示品は、「柴田慶信(しばたよしのぶ)商店」制作の天然秋田杉のお櫃(ひつ)です。ご飯の水分を、杉の白木が吸収することで、カビがつきにくく、殺菌性もあり、常温でも翌朝まで美味しさを保つことができます。

*日本三大美林とは木曽ヒノキ、青森ヒバ、秋田杉です。

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備前焼(びぜんやき)
備前焼は平安時代に始まり、室町時代に“侘び”“寂び”を好む茶人に重用され、茶道とともに発展しました。「投げても割れぬ、備前すり鉢」といわれる強度をもつ備前焼。岡山県備前の土は耐火度が低いという性質をもつため、じっくりと約2週間前後の時間をかけて焼きあげ、その強さをつくります。高温でガラス質の皮膜を作る釉薬(ゆうやく)*1を使わないことで、内部に微細な気孔ができ通気性が生まれ、酒やワインを美味しくしてくれます。また、花器ではきれいな水の状態が長時間保たれるため、花が長持ちするのです。展示品は、竹内靖之(たけうちやすゆき)氏作の土瓶です。緋襷(ひだすき)というワラを間にはさんだり巻いたりして焼くことで、緋色(ひいろ)の線が現れたものです。「盃にとくとく鳴りて土瓶蒸」と阿波野青畝(あわのせいほ)*2は詠みました。秋を感じる色と香りを楽しみながら土瓶蒸しを味わいたいものです。

*1釉薬とは、丈夫にし、水分がしみ込むのを防ぐため、焼く前に器の表面に塗る液のことです。木の灰と水に、わらを焼いた灰や粘土を加え作ります。
*2阿波野青畝は高浜虚子(たかはまきょし)に師事し、「かつらぎ」を創刊、水原秋桜子(しゅうおうし)、山口誓子(せいし)、高野素十(すじゅう)と並ぶ俳人です。

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日本の伝統 20160925-012

ガラス(がらす)
日本におけるガラス文化は、室町時代にガラス器、眼鏡といったガラス製品が作られるようになったことが始まりといわれています。明治時代以前、ガラスを指す言葉として「瑠璃(るり)」、「ビードロ」、「ギヤマン」が使われていましたが、明治以降、オランダ語が語源の「ガラス」に統一されました。展示品はスガハラ(菅原工芸硝子)と人気アパレルブランド「ミナペルホネン」とのコラボにより作られたグラスです。同ブランドのデザイナー皆川明氏が、千葉県の特産品である落花生をモチーフに、美しいフォルムを表現しました。スガハラでは、こうした新たな取り組みも行い、職人の技術向上へと繋げています。
秋が旬である落花生、11月11日のピーナッツの日には、落花生のグラスで色づく秋を楽しみたいものです。


京葉銀行本店営業部 : 千葉市中央区
Panasonic LUMIX GH3
2016.10.20 撮影
【 2016/10/27 (Thu) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2016 夏

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20160718-001
ものづくり×伝わる場所
京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」をテーマに、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な“もの”をご紹介しております。
今年度のテーマは「日本のものづくり/伝わる場所」。
“ものづくり”としての伝統が伝わる場所に焦点をあてながら、伝統工芸品などが生み出された時代背景や文化、受け継がれてきた歴史とともに、技と美で作られた“もの”、現代の新たな感性を取り入れた“もの”で季節を表現いたします。
今回は「夏を涼しむ」。古来より日本人は季節を感じ、季節を楽しんで暮らしてきました。自然に寄り添い、暑い夏には涼をとるさまざまな工夫を凝らしてきたのです。簾(すだれ)に掛け替えることで風を通りやすくさせ、風鈴の音色で涼を誘う。「風鈴の音を點(てん)ぜし軒端(のきば)かな」「わが家も住みよかりけり青簾(あおすだれ)」は、そんな夏の風情を表した高浜虚子の句です。皆さまにも、五感で涼しい夏を感じていただければ幸いです。

日本の伝統 20160718-002
涼しむ夏
木桶×千葉県
起源:不明
場所:千葉県野田市
<ものと場所の繋がり>
千葉県野田市の北西部にある関宿は利根川と江戸川に挟まれ、江戸時代に水運の要として発達しました。この地で、千葉県伝統工芸の桶は三代にわたり受け継がれ、伝統技術を生かした桶が作りだされます。

江戸簾×東京都
起源:江戸時代
場所:東京都台東区
<ものと場所の繋がり>
江戸時代、簾は江戸の繁栄につれ、高貴な身分のものから庶民にも広がり使われるようになりました。簾専門の職人がいたことも文献に残っています。江戸時代、隅田川が物流の中心だったため、台東区に職人が多く集まりました。

高岡銅器×富山県
起源:慶長14年(1609年)
場所:富山県高岡市
<ものと場所の繋がり>
慶長14年(1609年)、加賀藩前田利長が7人の鋳物師をこの地に呼び、鋳物場を開設したことから、鋳物の地となりました。日本三大仏に数えられる「高岡大仏」は、伝統の銅器製造技術の粋を集めて作られたものです。

信楽焼×滋賀県
起源:鎌倉時代中期
場所:滋賀県信楽町
<ものと場所の繋がり>
滋賀県信楽町は近畿地方の中心にあり、古琵琶湖層といわれる耐火度の高い良質の粘土が豊富に産出された場所です。室町、桃山時代は茶道具、江戸時代には茶壷、その後は火鉢生産と、陶器の町として伝統ある長い歴史を持ちます。

萩ガラス×山口県
起源:安政6年(1859年)
場所:山口県萩市
<ものと場所の繋がり>
萩ガラスは、長州藩中島治平により始められ、隆盛の時代を築きながら激動の幕末に幻のガラスとなりました。平成4年、萩ガラス工房は笠山の石英玄武岩を使用し、当時のガラスを復刻させたのです。

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めだか桶(めだかおけ)
千葉県の野田は東に利根川、西に江戸川と水運に恵まれたこともあり、江戸時代は舟運物流の拠点として発展しました。この野田で三代にわたり桶を作り続けるのが、千葉県指定伝統的工芸士の小峯穣二さんです。父の吉一さんから技術技法を受け継ぎ磨きをかけてきました。桶作りには内丸鉋(かんな)や外丸鉋など特別な工具を使用します。通常 「たが※」には銅を使用しますが、銅に比べ耐久性とばね特性に優れた洋銀を用いる事に小峯さんの工夫があります。
今回は、昔ながらの工法で竹を用いた「竹たが」を使って、特別にめだか桶を制作していただきました。桶に水を張り、めだかを眺める。涼をとる夏の風情です。

※「たが」とは桶をとめる為に必要な、桶をまわる金具(竹具)のことです。

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江戸簾(えどすだれ)
簾の歴史は古く万葉集にも登場します。江戸時代には、江戸城、武家屋敷、神社仏閣、商家などで使われ、やがて庶民にも広がり、浮世絵にも描かれました。 江戸時代には既に簾専門の職人がいたことが、「人倫訓蒙図彙」(じんりんきんもうずい)という文献に記されています。 江戸簾の特色は、竹など天然素材の味わいをそのまま生かしているところにあります。
展示品の簾は、台東区に明治初年から続く江戸簾の老舗「田中製簾所」の五代目職人であり、東京都指定伝統的工芸士として活躍する田中耕太朗さんにより制作されたものです。 伝統に培われた高い技術と、風流で粋なデザインの簾は、現代の生活にもよく馴染んで好評を得ています。

日本の伝統 20160718-007

日本の伝統 20160718-008
風鈴(ふうりん)
高岡の鋳物の歴史は、慶長14年(1609年)、前田利長が高岡市金屋町に7人の鋳物師(いもじ)を招いたことから始まりました。江戸時代の中頃から銅合金の鋳物(いもの)も盛んになり、梵鐘(ぼんしょう)や仏具などの銅器製造が有名になりました。最近では、鋳物の歴史の中で培った高度な技術を基盤に、現代的な加工技術を応用した、デザイン性の高い新しい商品が注目を集めています。
展示品の風鈴は、大正5年創業の鋳物メーカー「能作」が制作したもので、高岡の優れた鋳物技術がつまった風鈴です。材質は真鍮(銅60%、亜鉛40%)で出来ており、他の金属に比べひそやかな音と余韻の長さが特徴で、澄んだ音色は、癒しと涼を与えてくれます。

日本の伝統 20160718-009

日本の伝統 20160718-010
水差し(みずさし)
信楽(しがらき)焼の歴史は古く、鎌倉時代以前より続いている、瀬 戸・常 滑・越 前・信 楽・丹 波・備前の中で、最古のものの一つです。信楽は狸の焼物と火鉢で有名ですが、登り窯が減ってしまった昨今、モダンな伝統工芸品を広めようと「Mother Lake Products Project(マザーレイクプロダクツプロジェクト)」が始まり、「KIKOF(キコフ)」というブランドが生まれました。 このブランドを作ったのが、クリエイティブユニット「キギ」と「丸滋製陶(まるしせいとう)」です。
展示品は、信楽焼の水差しです。 近年猛暑が続く夏、効果的な水分補給が必要です。 水差しにたっぷり水を注ぎ、カットした彩り豊かなフルーツを入れるだけで、簡単にフレーバーウォーターを作ることができます。こんな風に楽しみながら水分補給をするのも良いかもしれません。

日本の伝統 20160718-011

日本の伝統 20160718-012
ワイングラス(わいんぐらす)
安政6年(1859年)、長州藩の中島治平は、萩の地で硝子製造を開始しました。江戸の切子職人を招いての優れた技術と、石英玄武岩※を原料として作られたのが、萩ガラスです。萩ガラスが作られるまでには、様々な工程があり、 原石の粉砕、調合、溶融、脱泡、精製という順番です。このガラス素地を使い、様々なグラスや器を作ってきました。しかし、ガラス製造施設の焼失、中島治平の病死等、激動の時代の中で萩ガラスの伝統は埋没していきました。長き時を経て、この幻の萩ガラスを平成の世に復活させた「萩ガラス工房」は、原石の採石から製品作りまで一貫した生産を行うガラス工房です。 萩ガラスは、高い透明度と美しい天然の緑色、また高温処理している為、一般のガラスより傷つきにくい耐久性を有しています。
展示品は長州藩士・高杉晋作が愛用したといわれているワイングラスの復刻版です。

※石英玄武岩とは、水晶の成分を含む玄武岩のことを指します。


京葉銀行本店営業部 : 千葉市中央区
Panasonic LUMIX DMC-TZ85 光学30倍ズーム f= 4.3mm ~129mm (35mmフイルムカメラ換算 24mm-720mm)
2016.07.18 撮影
【 2016/07/18 (Mon) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2016 春

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20160423-001
京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」をテーマに、私たちの暮らしの中にみられる伝統的なものをご紹介しております。
今年度のテーマは「日本のものづくり/伝わる場所」。
“ものづくり”としての伝統が伝わる場所に焦点をあてながら、伝統工芸品などが生み出された時代背景や文化、受け継がれてきた歴史とともに優れた技の美しきもの、現代の新たな感性を取り入れたもので季節を表現いたします。古来より神が鎮座したとされる桜の開花に、人々は豊作祈願し胸躍らせてきました。こうした日本人の心は、暮らしの中のものにも新たな季節の始まりを息づかせます。
今回は織物、染め物、焼き物などの中に様々な春を映しだすものづくりの、麗らかなる、『楽しい春』をお楽しみいただけると幸いです。

日本の伝統 20160423-002
ものづくり×伝わる場所
有田焼×佐賀県
起源:400年前
場所:佐賀県有田町
<ものと場所の繋がり>
有田は磁器の原材料となる陶石が多く採れることから、焼物の町として発展してきました。現在有田町には、いくつもの窯元が存在し、伝統的な文様のものから、現代の生活に馴染むデザインまで幅広く作られています。
<訪ねてみたい有田>
有田焼工房では、実際にろくろや手びねり、絵付けの体験ができる所があります。いくつかの好みの窯元を見つけて巡る旅も良いかもしれません。

竹籠×栃木県
起源:昭和30年代
場所:栃木県大田原市
<ものと場所の繋がり>
大田原には、「竹」の林が数多く存在しています。その良質な竹を利用して戦後、昭和30年頃から様々な竹工芸品が作られています。多くの竹工芸家が集結している大田原では、今まで2名の人間国宝作家を生み出しています。
<訪ねてみたい大田原>
那須与一で有名な大田原。生活の道具として作られる竹細工の面白さを伝えようと『日本の竹カゴ復活プロジェクト』を立ち上げました。工房の教室では竹カゴ作りを基礎から教えてもらえます。

京友禅×京都府
起源:元禄時代初頭
場所:京都府京都市
<ものと場所の繋がり>
京都の祇園に住む扇面絵師 「宮崎友禅斎」 によって考案された技法により、着物に模様が描かれたのが始まりとされています。考案者の名前から「友禅染」と呼ばれたこの技法は、京都から日本各地に伝わりました。友禅染めはそれぞれの土地でその文化や特色を取り入れ「加賀友禅」「江戸友禅」のように独自の発展を遂げています。
<訪ねてみたい京都>
京都市内には手書友禅の絵付けを体験できる場所があります。昔からの技法を学び、時代に思いを馳せながら自分だけの作品を描いてみるのもいいかもしれません。

甲州織物×山梨県
起源:江戸時代初頭
場所:山梨県富士吉田市
<ものと場所の繋がり>
織物の産地として有名な山梨県の特産品甲州織は伝統のある美しい織物で、別名甲斐絹とも言われております。明治期になると養蚕が発展し、大きな産業となり洋長傘地やハンカチ、ネクタイ、ストール等の多くの織物に使われるようになりました。
2012年から山梨のハタオリ職人、工場、ブランドが集まり『ヤマナシハタオリトラベル』を立ち上げました。
<訪ねてみたい富士吉田>
富士山の麓にある街、富士吉田。甲州織はこの美しい街から生まれています。「ヤマナシ ハタオリ トラベル MILL SHOP」(富士急行富士山駅)では多数のアイテムを直接購入できます。

木撥×千葉県
起源:大正末期頃
場所:千葉県流山市
<ものと場所の繋がり>
自然豊かな流山は白く艶のある樫が多く採れます。それは三味線の木撥作りに最も適した材料であることからここ流山で作られるようになりました。日本全国でも手作業で作られる木撥はここ流山だけとなり、その最後の木撥職人が現在も丁寧に作り続けています。
<訪ねてみたい流山>
流山市を流れる利根運河には、四季折々の花が河川敷に咲き乱れます。「街中森づくりプロジェクト」は、街の小さなスペースに椎木や樫木を織り交ぜながら、小さな森の再生を行っています。

日本の伝統 20160423-003

日本の伝統 20160423-004
花瓶(かびん)
日本の磁器発祥である佐賀県の有田焼は、今年で創業400年を迎えます。有田焼が伊万里を積出港としたことから伊万里焼としてヨーロッパに伝わり、のちにドイツのマイセンなどを生むことになったのです。江戸時代の伊万里焼を「古伊万里」と呼びますが、展示品が制作された1804年創業の「弥左ヱ門窯」(やざえもんがま)では、古伊万里の技術を生かしながら、現代のライフスタイルに馴染む食器などを新しい有田焼として、「ARITA PORCELAIN LAB」を展開しています。こちらの花瓶は古伊万里様式の鮮やかな赤絵や金襴手(きんらんて)で絢爛(けんらん)さを表しながらも、現代に合わせた絵付けで魅了されます。

日本の伝統 20160423-005

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竹籠(たけかご)
栃木県の大田原では、良質で豊富な「竹」を活かした竹工芸(ちくこうげい)品づくりが盛んで、昭和57年に重要無形文化財に指定され、著名な竹工芸作家を輩出しています。
竹工芸の技法は、細く割ったひごを編み組みして造形する「編組物」(へんそもの)、円筒形のままの竹を用いる「丸竹物」(まるたけもの)等に分類され、竹の持つ強靭で弾力性に富むという特質が生かされた制作が行われています。
現在、大田原では、高齢化による職人の減少に伴い、「日本の竹かご復活プロジェクト」として職人の育成をしており、関東数か所で竹教室も展開されています。展示品は、ちくげい工房「無心庵」の、使い込むほどに味が出る経年変化の魅力の野点(のだて)のセット。桜の下で茶を点てる春の楽しみです。

日本の伝統 20160423-007

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反物(たんもの)
京都の宮崎友禅斎により始められた京友禅。
友禅は手描き友禅と型友禅とがあり、手描き友禅の技法は意匠構成を基に雛形を作り、青花液で下絵を描くことから多くの工程を要します。彩色の技術はたくさんの色づくりや、京友禅の特徴でもある内側から外へのぼかし、濃淡の技術とかなりの経験を求められるのです。こうした伝統技術が四季折々の花鳥山水を絹に華やかに映しだし、特に京友禅は、公家や町衆文化に支えられたことから、華麗な図案風模様も多く、他の友禅との大きな違いとなっています。
現在ではその彩色を生かし、ショールや長財布など、着物以外の装飾品にも数多く展開されています。展示品の帯は、濃淡ぼかし技術が生かされた、春の訪れを感じさせるものです。

日本の伝統 20160423-009

日本の伝統 20160423-010
織物(おりもの)
甲州織の美しさは甲斐絹(かいき)をルーツとした先染めにあり、甲斐絹は富士の湧水により、深みのある色や独特の変化がある甲州織の特徴ともなっています。
現在では、かつての甲斐絹の伝統技術を受け継ぎ、『先染め・細番手・高密度』の絹織物を得意とする全国有数の高級絹織物産地となりました。展示品のネクタイを製織している渡小織物は「新しいトラディショナルを織る」をコンセプトに、伝統的な織り組織にこだわった意匠を、三代に渡り受け継いだ経験と、製織技術で重厚な絹生地に織り上げています。

日本の伝統 20160423-011

日本の伝統 20160423-012
木撥(きばち)
木撥は、長唄などに利用されることが多く、優しい音色を響かせる三味線の撥です。
千葉県流山で制作する都築茂幸(つづきしげゆき)さんは、江戸時代創業の邦楽器製造の老舗「撥幸」(ばちこう)の後継者です。現在全国で唯一の専門職人としてとして、木撥作りを現代に伝え、弟である都築靖幸(つづきやすゆき)さんとともにこの技術を守っています。
木撥には0匁(もんめ)~50匁(※)まで重さの種類があり、埋め木として使われるのはかりん、樫です。長唄の研精会用の木撥も制作され、他の流派ごと変わる撥先の厚みの調整に技術が光ります。
(※)1匁は 3.75gと言われています。


京葉銀行:千葉市中央区
Panasonic LUMIX DMC-TZ85 光学30倍ズーム f= 4.3mm ~129mm (35mmフイルムカメラ換算 24mm-720mm)
2016.04.23 撮影
【 2016/04/24 (Sun) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 20周年記念展示

ようやく工事が終わり、本店ショーウィンドーギャラリーが再開されました。
展示内容は、20周年記念展示「ギャラリーの歴史と千葉の伝統品」です。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-001

20周年記念展示「ギャラリーの歴史と千葉の伝統品」
当行では、芸術や文化を発信する場として、本店ショーウインドーギャラリーにて、20年にわたり、「日本の生活」や「日本の伝統」をテーマに、日本の良きものをご紹介しております。
展示を続けることができますのも、皆さまのご支援の賜と感謝いたしますとともに、深く御礼申上げます 。
今回はここ、本店営業部のリニューアルに合わせ、ショーウインドーギャラリーの歴史として、20周年記念展示を行うこととなりました。
今後もこの場所にて芸術や文化の楽しみを皆さまにお届けし、地域金融機関としての親しみやすさを感じていただけるよう努めてまいりますので、“千葉みなと本部”とあわせまして、これからも末永くご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

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ギャラリーの歴史と千葉の伝統品
世界に誇る日本の職人技が生み出す伝統工芸品。当ギャラリーはそれを紹介する企画として、平成7年4月にスタートしました。以来20年間、『日本の職人芸』『日本の生活』『日本の伝統』というテーマで展開し、単なる工芸品の展示ではなく、ショーウィンドー全体をデザイン・演出することにより、季節を感じていただけるものをご提供してきました。
今回は20周年記念展示と称して、展示品は千葉県に所縁のある作品にフォーカスしました。
伝統工芸品を守り、進化させている職人やアーティストの作品の展示を通して、地元千葉の誇りや文化を改めて認識していただければ幸いに存じます。
さらに設置モニターでは、過去の展示を放映しています。受賞作品や特別企画展なども含め、ディスプレイ・デザインに懐かしさを覚える方もいらっしゃることでしょう。

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真朱焼き(しんしゅやき)
真朱焼きは大正時代に陶芸家濱田敬山氏により市川市鬼越(おにごえ)で開発された独特のもので、鬼越真朱焼と呼ばれます。展示品は日本で唯一の鬼越真朱焼の伝統を守り続け、千葉県伝統工芸品にも指定されている鎌ケ谷市の三橋窯業製の花瓶です。二代目敬山(故三橋英作)作で、全日本中小企業輸出見本市において、輸出優秀商品と選定され平成9年2月に皇室献上しています。真朱とはややくすんだ深みのある朱色のことで、万葉集ではこの色を「まそほ」と呼んでいます。現在は燃えるような真紅が特徴の焼き物になっています。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-008

袖凧(そでだこ)
上総(千葉県中部)には、男の子が生まれるとその子の健康と出世を祝って、端午の節句に凧を揚げるという風習がありました。上総凧には「角凧」と「袖凧(長南トンビともいう)」があり、「袖凧」は山側の地域で揚げられ、大工の印半纏(しるしばんてん)をヒントにしたのが始まりとされています。袖が四角で着物のような独特な形を持ち、大きなウナリをつけ、紙尾のないのが特徴です。展示品の袖凧は、京葉銀行本店ショーウィンドー20周年を祝って、市原市在住の金谷政司(かなやせいじ)氏に製作していただいたものです。千葉県伝統的工芸品に選定されている金谷氏の凧 。紅緋色(べにひいろ)と空の青は見事なコントラストを生み出します。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-009

房州団扇(ぼうしゅううちわ)
日本には三大団扇と呼ばれるものがあります。京都の京団扇、香川の丸亀団扇、そして千葉の房州団扇です。それぞれ作り方に違いがあります。京団扇は柄と骨が別々に作られています。丸亀団扇は柄と骨が一体型で、柄の部分が平たく割られているのが特徴です。そして房州団扇は、柄と骨は一本の女竹から一体型で作られ、丈夫で半円の格子模様の窓が美しく、竹をそのまま生かした丸い柄を特徴としています。展示品は、経済産業大臣の指定を受けた千葉県の伝統的工芸品で、女性で唯一の房州うちわの伝統工芸士 、太田美津江氏が製作したものです。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-010

記憶紙(きおくがみ)
和菓子の木型で和紙を型取ったアート作品「記憶紙」 。 江戸時代から受け継がれてきた木型は、おめでたいもの、季節のものといった題材が多く見られます。その木型に白い手漉きの和紙をあて、長い年月を経た木型の持つ記憶ごと写し取る、ということから「記憶紙」と命名されています。展示品は、佐倉市にアトリエを構える永田哲也(ながたてつや)氏が、特別に製作したものです。テーマは、「千葉の海の恵み」。三方を海に囲まれた千葉の豊かな海の恵みと風光明媚を表現しています。永田氏は、全国各地の菓子匠の蔵を訪ね美しい型を探し出し、数々の作品を制作、発表しています。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-011

佐原張子(さわらはりこ)
だるまや招き猫など招福人形の製造をきっかけに江戸時代から発展してきた張り子。千葉では明治の末期からの伝統を受け継ぐ佐原市の張子が有名で、佐原張子「餅つきうさぎ」は年賀切手に登場したこともあります。佐原張子は木型で作った型に和紙を重ね張りして成形し、ニカワと貝殻の粉を混ぜた液体を塗り、乾燥させた後に色を付けて作ります。紙製ならではの凹凸のある表面に鮮やかな絵の具が見せる表情は温かみがあり、展示品の動物たちの表情はユーモラスで、元気と笑顔を届けてくれます。作者は香取市の鎌田芳朗氏。水郷の佐原で張子細工一筋 60年の職人です。

京葉銀行本店ギャラリー 20160114-012

萬祝半天(まいわいばんてん)
漁師の晴れ着の萬祝半天。萬祝とは元々は大漁祝いの意味で、それが次第に祝いの時に揃って着る祝い着(主に長半天)を指すようになりました。藍色の地に漁業の様子や縁起物を鮮やかに染め抜いたもので、江戸時代の房総半島が発祥と言われ、全国の沿岸部に広まっていきました。千葉県鴨川市近辺では大漁旗などと一緒に手描きで製作されています。展示品は本店ショーウィンドーギャラリーの20周年を記念し、萬祝着の染色技法を継承し、この道一筋に15歳から製作されている角田光宏(つのだみつひろ)氏に特別に製作していただきました。


京葉銀行:千葉市中央区
CANON IXY 630
2015.07.04 撮影
【 2016/01/25 (Mon) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2016 新春

本店ショーウィンドーギャラリーは、改修工事のためしばらく休止となりました。
そのために、千葉みなと本部ショーウィンドーギャラリーでの展示を代わりに紹介させていただきます。多少展示方法が異なるようです。

              日本の伝統 20160121-000

京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」というテーマで、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な良きものをご紹介しています。
今年度は、言葉やフレーズで「春・夏・秋・冬」の季節の色を表現し、関連する伝統的な工芸品などをご紹介してきましたが、今回が最終回となりました。
日本に数多く存在する、季節を感じる良き伝統や文化、そしてそれを支える豊かな自然。これらを五感で感じると、四季に包まれて生きている私たちは、それぞれの季節が自然と脳裏に滲み出てくることでしょう。木枯らしが冬の到来を告げると、いよいよ寒さが身にしみる季節となります。そんな厳しい季節でも、美しく咲く冬の花や自然の新たな息吹を敏感に感じ、正月や節分などの伝統行事を楽しみながら春を待つことが、日本人の心の文化ではないでしょうか。ショーウィンドーを通じて、早春に向けた日本の伝統と文化を感じていただければ幸いに存じます。

日本の伝統 20160121-001

冬言葉/冬色
『お正月』/漆黒色(しっこくいろ)
「正月」とは、歳神様(としがみさま)という新年の神様をお迎えする行事のことを指します。重箱に入れられたおせち料理もその神様のおもてなしのひとつです。深みと艶のある重箱の黒色は漆黒色とよばれ、その重厚さが、紅白や金などの料理の色をより一層引き立てます。

『書き初め』/墨色
新年に初めて毛筆で文字を書く「書き初め」。吉書(きっしょ)、初硯(はつすずり)などとも呼ばれます。墨色は「墨の五彩(濃、焦、重、淡、清)の“焦”にあたる黒に近い灰黒色(かいこくしょく)のことです。昔は和紙に硯で擦った墨を含ませた毛筆を滑らせることが日常でした。

『冬日和』/紅緋色(べにひいろ)
穏やかな冬晴れを指す厳冬の季語「冬日和」。陽射しに誘われて散歩してみると、庭先に咲く梅やロウバイの花や公園で紅緋色(黄みのさえた赤)の凧揚げを楽しむ親子の姿が、思いがけずに目に飛び込んできます。寒さを忘れる悦びのひとときです。

『七草粥』(ななくさがゆ)/草色
年間の無病息災・豊作を願って、1月7日に春の七草を食する「七草粥」。春の七草とはセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロのこと。白い粥に垣間見える草色(くすみのある濃い黄緑色)が、健康効果を感じさせてくれます。

『牡丹雪』(ぼたんゆき)/牡丹色
古来から絢爛(けんらん)な色と形から富貴の花として愛された牡丹。伝統色の牡丹色は鮮やかな赤紫ですが、実際の花の色は白やピンクもあり、さまざまです。「牡丹雪」とは牡丹の花びらのような大きな雪片(せっぺん)として降る雪のことで、晩冬の牡丹雪をみると、いよいよ春も近いと感じさせてくれます。

日本の伝統 20160121-002

日本の伝統 20160121-003

日本の伝統 20160121-004

日本の伝統 20160121-006

重箱 (じゅうばこ)
ハレの日の料理を入れる重箱。二重から五重にも重ねられ、上には蓋が付き、漆塗りが施されているものが主流です。最たるハレの日である正月には、重箱に入ったおせち料理が卓に並びます。
展示品は会津塗の老松沈金(おいまつちんきん)四段重。沈金は塗面を削り、そこに金箔や金粉を入れる加飾技法。沈金の老松と塗りの漆黒が見事なコントランスを見せる豪華絢爛(ごうかけんらん)な重箱です。
会津漆器は古くから漆の産地だった会津の地で室町時代より育まれてきた伝統工芸品で、津軽塗や輪島塗よりも前から盛んでした。水がしみにくく、熱さや酸・アルカリにも強く、堅牢で傷つきにくいのが特徴です。

日本の伝統 20160121-007

硯(すずり)
展示品は石巻市の雄勝(おがつ)石を使用した蓋付の雄勝硯です。雄勝硯は600年の歴史を誇り、経済産業大臣指定伝統的工芸品や地域団体商標に登録指定され、かつては国内90%以上のシェアを誇りました。その後、東日本大震災で被害を受けましたが、現在、多くの人々の協力のもと、生産が再開されています。光沢・粒子が均質で、圧縮・曲げに強く、低吸水率で変質しない純黒色の雄勝石は、玄昌石とも呼ばれ、硯の他にスレート材として東京駅赤レンガの屋根にも使われています。また、石肌の模様はいつまでも見飽きることのない優雅さを備えています。

日本の伝統 20160121-008

凧 (たこ)
上総(千葉県中部)には、男の子が生まれるとその子の健康と出世を祝って、端午の節句に凧を揚げるという風習がありました。上総凧には「角凧」と「袖凧(長南トンビともいう)」があり、「袖凧」(そでだこ)は山側の地域で揚げられ、大工の印半纏(しるしばんてん)をヒントにしたのが始まりとされています。袖が四角で着物のような独特な形を持ち、大きなウナリをつけ、紙尾のないのが特徴です。展示品の袖凧は市原市在住の金谷司仁氏が製作したもので、千葉県指定伝統的工芸品に選定されています。紅緋色と白の彩りは、揚がったときに空の青と見事なコントラストを生み出します。

日本の伝統 20160121-009

手ぬぐい(てぬぐい)
古墳時代から神事の儀礼装飾具として使われていたといわれる「手ぬぐい」。江戸時代になると綿の栽培が盛んになり、庶民にも広く普及しました。ものを拭いたり包んだり、様々な形で使われてきましたが、染色技術の進歩とともにデザインも多種多様に花開いていきました。歌舞伎役者や落語家が名刺代わりに利用したり、贈答品として人気を集めるなど、手ぬぐいの用途は多方面に及びました。春の七草が描かれた展示品は、七種の若菜を竹籠に入れ、春の訪れを祝っています。

日本の伝統 20160121-010

日本画(にほんが)
気品高い美人画を描き続けた上村松園(しょうえん)。『松園の前に松園なく、松園の後に松園なし』とまで言われ、女性初の文化勲章を受章した画家です。展示品の「牡丹雪」は69歳の時の作品です。大胆な構図、深閑とした雰囲気、奥ゆかしく気品に満ちたこの作品は、陸軍献納画展に出品され、大絶賛を浴びました。松園は古傘を差した美人画を多数遺しておりましたが、展示品はその代表作として知られています。冬のなごりの牡丹雪が舞い散る中、急かされるように歩を早める二人の女性が描かれています。
山種美術館所蔵 ※展示品は複製です。


京葉銀行:千葉市中央区
Panasonic LUMIX GH3 14mm-140mm(35mmフイルムカメラ換算 28mm-280mm)
2016.01.21 撮影
【 2016/01/22 (Fri) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2015 秋

本店ショーウィンドーギャラリーは、改修工事のためしばらく休止となりました。
そのために、千葉みなと本部ショーウィンドーギャラリーでの展示を代わりに紹介させていただきます。多少展示方法が異なるようです。

日本の伝統 20151006-000

京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」というテーマで、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な良きものをご紹介しています。
 今年度は、言葉やフレーズで「春・夏・秋・冬」の季節の色を表現し、関連する伝統的な工芸品などをご紹介していきます。
日本に数多く存在する、季節を感じる良き伝統や文化、そしてそれを支える豊かな自然。これらを、五感で感じると、四季に包まれて生きている私たちは、それぞれの季節が自然と脳裏に滲み出してくるでしょう。
猛暑の終わりとともに、涼やかで澄み切った空気に包まれた季節「秋」がやってきました。
そのさわやかな季節に誘われて、人々は身体を動かし、豊かな実りに舌鼓を打ち、鮮やかな紅葉の色彩に浸ります。
秋から初冬に欠けてを意識した品々は、美しさだけなく心まで温かくしてくれるようです。
ショーウィンドーを通じて温かな色に包まれた暮らしに触れていただければ幸いに存じます。

日本の伝統 20151006-001

秋言葉/秋色
『赤蜻蛉』/茜色
夕焼け小焼けの赤とんぼ~ 別名アキアカネ、8月末になるとトンボが飛び始め、秋の到来とともに色を茜色に変えていきます。それに合わせるように、夕焼けも赤味を増し、茜色は代表的な秋色です。

『紅葉錦』/紅葉色
織物をはじめ、様々な物に紅葉の色は取り入れられ、日本では昔から広く愛されてきました。また最近では日本の鮮やかな紅葉狩りが、世界的な注目を集めています。

『秋深し』
/黄色
「秋ふかし」という晩秋を意味する言葉。芭蕉の句を連想しますが、句の中では正しくは「秋深し」です。地面を染める赤や黄の落葉は晩秋の風物詩。
ただ黄葉も紅葉も❝こうよう❞と読みます。
古来、色名としての「黄」は「赤」の範疇でした。万葉集では「もみぢ」のほとんどに「黄葉」の字が当てられています。

『素秋』
/白色
古代中国より受け継がれる自然哲学思想に五行説という考えがあります。
素秋の『素』は白の意味を持ち、その五行説において白は、秋にあたることを意味することから、秋を歌う句には、秋の季語として使用されます。

『鵙の声』/灰茶色
紅葉を終え、枯木のようになっていく木々たち、その枝に止まり、秋から冬にかけて「キィーキィー」という高鳴きをする鵙。この威嚇の声が秋の澄んだ大気とともに、冬に移り変わる季節を感じさせてくれます。

日本の伝統 20151006-002

日本の伝統 20151006-003

日本の伝統 20151006-004

日本の伝統 20151006-005

 NATSUME
 薄茶点前のときの抹茶を入れた器を「薄茶器」、叉は「棗」といいます。
植物のナツメの形に似ていることからこう呼ばれるようになりました。 
 棗は漆仕上げが一般的で、木や竹、象牙、特殊なものとして、焼き物などがあります。柄は無地をはじめ、蒔絵が施されたものまで多彩です。 
 蒔絵とは、漆で絵付けや色付けをした後に、金属の粉を蒔いていき、絵模様を生み出す技法。展示品は秋らしいとんぼの絵を金蒔絵で装飾している棗です。
 紅葉を観賞しながらの一服は、日本の秋を感じる瞬間です。 

             日本の伝統 20151006-006

一輪挿し ICHIRINZASHI
 優しくやわらかい白の色肌に、花火のように大きく描かれたドットの円模様とラインの鼠地模様が、奥深い表情と色合いを与える展示品は、千葉県出身の陶芸作家、今井香苗氏の作品です。
 一輪挿しとはいえ、本体はどっしりとしていて大きく、高さもあるので、枝物、長い茎物の花一輪でもよく映えます。現代のライフスタイルに合うような、伝統にとらわれない独創性を尊重したものづくり。スタイリッシュで普段使いの器を「陶工房・器屋 海」で製作しています。

             日本の伝統 20151006-007

水墨画 SUIBOKUGA
 水墨画は、墨一色のみを用い、墨色の濃淡の調子、にじみ、かすれ、などを表現したものを指します。
 展示品は宮本武蔵が描いた『枯木鳴鵙図』の複製水墨画です。題材は、権力を誇示するような鷲や鷹などでなく、鵙、枝振りの立派な松ではなく枯れ木でした。鵙は武蔵自身を、枯木は剣を思わせる一幅です。
「武蔵にとって絵は、兵法の真髄を獲得するための手段のひとつであった。対象物を見抜く洞察力とその再現であるこの作品に見られる筆の冴えは、余技の枠を越え、絵師としての力量を示すに余りある」と、このように評されています。

日本の伝統 20151006-008

 SAKAZUKI
 赤く色づく紅葉の風景や、十五夜、十三夜など名月を楽しむ秋は、お酒を楽しむにも絶好の季節。日本には古くから盃で酒を酌み交わし、人間関係を強くするという文化があります。美しい秋を愛でながら盃を傾け、お互いの関係を深めていくのもいいものです。
 展示品の盃は、寛文元年(1661年)創業の350余年続く京漆器専門店「象彦」の盃。紅葉の色づく中にかかる橋、秋の風情あふれる景色を、盃の中だけでなく、外にまで色漆と箔で描いています。
 秋を感じる盃で、名月を観ながら秋の夜長を楽しむ日本の風物です。

日本の伝統 20151006-009

 KANNZASHI
 簪(かんざし)は女性が髪にさす日本の伝統的装飾具のこと。その始まりは縄文時代までさかのぼることができるというほど、古くから日本にあり、時代の変化や髪形によって、実にさまざまな素材・形・タイプが作られてきました。
 黄色く色づいた銀杏の葉は、日本の秋の風物詩です。展示品はその銀杏の葉の形を模したバチ型の簪です。絵柄のデザインは、秋のイチョウ並木から満天の夜空を見上げた風景を描いた模様にも見えます。漆黒色のバチ台に輝く金箔の輝きが、高級感を漂わせています。


京葉銀行:千葉市中央区
CANON EOS-M3 18mm-55mm、55mm-200mm
2015.10.06 撮影
【 2015/10/08 (Thu) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2015 夏

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20150704-001日本の伝統-「春・夏・秋・冬」-夏言葉/夏色
京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」というテーマで、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な良きものを紹介しています。
今年度は、言葉やフレーズで「春・夏・秋・冬」の季節の色を表現し、関連する伝統的な工芸品などをご紹介していきます。
日本に数多く存在する、季節を感じる良き伝統や文化、そして自然。これらを、目にし、耳にし、肌に感じると、四季に包まれて生きている私たちは、そその季節の実感が、自然と脳裏に滲み出してくるでしょう。
雨の日がつづき、つい気持ちも沈みがちになる長い梅雨が過ぎると、灼熱の陽射しを伴ってやってくる暑い夏が到来。夏休みの季節ということもあり、人々の気持ち委は解放感に溢れ、フィールドを海や山へと拡げて、活発に活動し始めます。
そんな夏から初秋にかけての一年の中で最もハツラツとした活動的な季節を、ショーウィンドーを通じて感じ、お楽しみいただければ幸いに存じます。

日本の伝統 20150704-002夏言葉/夏色
『夏の便り』/ 褐色
畳や縁側に座り、夏のおとずれを知らせる手紙をゆったり読んだり、書いたりすることは、日本の残したい伝統的光景です。夏のたよには、相手とのさりげなく温もりのある交流が感じられます。

『夏の空』/ 濃藍色
青い空に白い入道雲・・・夏を象徴する景色ですが、夜になり、暗くなった夏の夜空いっぱいに打ち上げられた繊細で煌びやかな花火も、夏の代名詞のひとつです。

『とうろう流し』/ 生成色
小さなとうろうに火を点じて海や河川に流す伝統行事。透過光に優しく輝く生成色の和紙によって、人の心を穏やかにし、ゆっくりとした時間を感じる事ができるでしょう。

『蝉しぐれ』/ 白岳の色
時雨の降る音にたとえて、たくさんの蝉の賑やかな鳴き声を蝉しぐれといいます。この声を聴くと、夏休み中の子どもたちの元気な声も聞こえそうです。

『風涼し』/ 虹の色
音色で涼しさを演出する風鈴。風鈴が涼しげな美しい音色を生み出すのは、その風に当たるとちょうど涼しく感じる程度のそよ風です。特に夏は暑い午後に吹き、風鈴が鳴る「風涼し」は暑さの緩和の一助となります。

日本の伝統 20150704-003

日本の伝統 20150704-004<葉書入れ はがきいれ>
江戸時代から今日にいたる二百年の歴史を持つ箱根寄木細工。展示品は無垢作りで、木材の豊かな色彩と木目を活かした葉書入れです。無垢作りとは厚みのある種寄木を板状に加工して、そのまま製品の形を作る工法です。機械作りとは異なり、手作りでしか味わえない温かい木のぬくもりがあります。
現在はインターネットが普及し、葉書や手紙を書く事もめっきり減ってしまいました。夏休みに縁側に座り、「夏の便り」である暑中見舞いを読んだり、書いたりする光景は、日本の残したい伝統的光景です。

日本の伝統 20150704-005

             日本の伝統 20150704-006
<浴衣-反物  ゆかた-たんもの>
元来、浴衣は入浴後に水分をふき取るものでしかありませんでした。浴衣が町人のオシャレ着となったのは、天保の改革の奢侈禁止令により、絹や色糸が禁止されたことがきっかけです。木綿の藍染めだけで、どれだけ粋なものを作れるか、職人技を競わせたのです。
展示品は高級綿の綿紅梅を濃藍色に染上げた浴衣の反物です。染元は高常で江戸時代から続く伝統的な浴衣の染色技法、長板中形染めで染色から乾燥まで全て手作業で行われます。
浴衣に濃藍色が重用されるのは、酷暑の日本らしい、夕刻からの涼しさの演出といわれています。

日本の伝統 20150704-007

             日本の伝統 20150704-008
<灯籠 とうろう>
「とうろう流し」はお盆の始まりに迎えた先祖を送り出すために灯籠等を海や河川に流す伝統行事です。展示品は、2000年6月に、国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定された九代目 岩野市兵衛の越前和紙を使用した灯籠です。
人間国宝であった先代 岩野市兵衛氏より手漉き和紙古来の技法を受け継ぎ、木材パルプなどを使用しない 100%楮だけを使用した生漉き奉書一筋に専念してきました。特に奉書には、高い芸術性と、二百回から三百回もの摺に耐える比類ない強靭さから、国内外の著名な版画作家に愛用されています。

日本の伝統 20150704-009

日本の伝統 20150704-010<蝉籠 せみかご>
蝉籠は白竹で編まれた花を入れる籠です。その形が蝉に似ている事から、蝉籠と呼ばれました。白竹とは真竹や孟宗竹を油抜きしたのち直射日光に晒して乾燥させたものです。見た目はとても簡素ですが、簡素な姿であるからこそ、何にでも合い、また、素直に美しさが現れる白竹。白竹は年月を経るほどに味わい深い飴色に変化してゆきます。
梅雨明けを知らせるように蝉が一斉に鳴く様を、蝉しぐれが降ると表現します。暑い夏に涼しげな花を、蝉籠に飾る様は、夏の暑い日々の中でとても涼しげです。 

日本の伝統 20150704-011

日本の伝統 20150704-012<風鈴 ふうりん>
日本各地で金属、陶器、ガラスなど様々な材質で作られている風鈴。夏になると家の軒下などに取り付けられ、風が吹くと音色は、聞く者を涼しげな気分にさせます。
展示品は千葉県九十九里にあるスガハラ工芸ガラスの虹色風鈴です。まるでシャボン玉が浮かんでいる様に見え、窓辺につるすと、優しい七色の「虹色」が現れます。「風涼し」という言葉の様に、風鈴は涼やかな音と風を一緒に届けてくれる夏の風物詩です。


京葉銀行:千葉市中央区
CANON IXY 630
2015.07.04 撮影
【 2015/07/07 (Tue) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)

日本の伝統 2015 春

展示内容が変わった本店ショーウィンドーギャラリーです。

日本の伝統 20150411-001
日本の伝統-「春・夏・秋・冬」-春言葉/春色
京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「日本の伝統」というテーマで、私たちの暮らしの中にみられる伝統的な良きものをご紹介しています。
平成七年の展示から二十一年目を迎えた今年度は、 言葉やフレーズで「春・夏・秋・冬」の色を表現し、 伝統的な工芸品などをご紹介していきます。
日本にある風物詩・歳時記に代表される季節を感じる良き伝統・文化。それらを目にし、耳にし、肌に感じると、その季節の実感が自然と脳裏に浮かんでくるでしょう。
厳しい冬が過ぎ、そして訪れた暖かい春。心が和む季節の到来とともに咲き始める桜、ふと耳にする奏でられた優しい音色、漂い出す新鮮な緑の香り、 風も輝く五月晴れ…季節は初夏へと移っていきます。
そんな春から初夏にかけての“ワクワクする” 心地よい季節を、ショーウインドーを通じて、 お楽しみいただければ幸いに存じます。

日本の伝統 20150411-002
春言葉/春色
『 花 咲 く 春 』/桜の色
春は花の季節。暖かさの到来とともに、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)、花々は咲き乱れます。
 「花畑」「花園」「花壇」など咲き誇る様を表す言葉も多く、また桜に関しても「花見」「満開」「桜吹雪」「桜前線」と、現代生活にも深く根付いて使われています。

『 山 笑 う 』/もえぎの色
春の山は冬の鎮まった印象から一変し、木々は芽吹き、草は萌え出し、瑞々しい命で満たされます。
「山笑う」とは、春の山のおおらかで明るい感じを表現した春の季語です。

『 春 を 奏 で る 』/若緑の色
春の穏やかさを感じさせる代表曲が宮城道雄作「春の海」。
“こと”で弾かれるその音色と旋律が作り出す世界は、まさに、“春を奏でる”という言葉がふさわしいです。

『 甘 い 春 』/餡子の色
ハレの日が多い春には、「桜餅」「鶯餅(うぐいすもち)」「蓬餅(よもぎもち)」「苺大福」「ひなあられ」「花見団子」「引千切(ひちぎり)」など、所縁の和菓子が多く、日本ならではの甘味の季節にもなっています。

『 風 光 る 』/鯉のぼりの色
5月は心地よい風を感じる季節でもあります。花や緑の香りに満ちた風が、陽光降り注ぐ五月晴れの空の中を、鯉のぼりをはためかす。
それはまさに“風光る”日本の伝統的な光景です。

日本の伝統 20150411-003

日本の伝統 20150411-004
一輪挿し(いちりんざし)
強い輝きを放った金色をバックに描かれた桜が、上品でありながらも強い印象を残す展示品は、有田焼の窯元である金龍窯(きんりゅうがま)の伝統工芸士・江口天童(てんどう)氏作の金彩(きんだみ)桜花瓶です。
1978 年、古赤絵窯(こあえがま)として創業した金龍窯は、1983 年に窯名を金龍窯に変更して以来、現在に至るまで、有田焼の大物美術品業界において、トップシェアを確立している窯元です。高い絵付け技術と卓越したセンスを備えた金龍窯の絵付師たち。今回の展示品のように、手描きにこだわった温かみのある作品が特徴です。

日本の伝統 20150411-005

日本の伝統 20150411-006
浮世絵(うきよえ)
和州吉野から桜の苗木が移植され、江戸庶民の観桜(かんおう)の名所として、飛鳥山や隅田堤などとともに花見客で賑わいをみせた御殿山〔品川区北品川付近〕。展示品の浮世絵は葛飾北斎作『冨嶽(ふがく)三十六景』より『東海道品川御殿山(とうかいどうしながわごてんやま)ノ不二』。彫師(ほりし)は菅香世子、摺師(すりし)は鉄井孝之、版元は東京伝統木版画工芸協同組合です。江戸寛文年間(1661-73)頃の花見の様子を描いたもので、満開の桜とともに、波一つない江戸湾や木々の間からのぞく富士の姿など、雄大かつのどかで華やいだ花見の雰囲気が感じられる作品です。

日本の伝統 20150411-007

日本の伝統 20150411-008
琴(こと)
弦を弾いて音を出す日本の伝統的な撥弦(はつげん)楽器である「こと」。現在「こと」と呼ばれる楽器は、琴(きん)、箏(そう)、和琴(わごん)、一絃琴(いちげんきん) ( 須磨琴 (すまごと))、二絃琴 (にげんきん)( 八雲琴 (やくもごと))などがあります。
「琴」と「箏」は混用されていますが、 正確には別物で、「琴」は弦を押さえる場所で音程を決めますが(和琴は柱を使用)、「箏」では可動式の支柱で弦の音程を調節します。
現在広く使用されているのは箏の方で、箏の別名として琴と呼ぶようになったのは江戸時代以降です。

日本の伝統 20150411-009

日本の伝統 20150411-010
雨城楊枝(うじょうようじ)
クロモジの木から一本一本丹念に削りだされる君津市久留里の伝統工芸、 黒文字楊枝。千葉県指定伝統的工芸品でもあり、久留里城の別名をとり『雨城楊枝』と呼ばれます。巧みな細工と品の良さから和菓子を食べる粋な道具として知られています。かつての上総(かずさ)楊枝が、明治後半に森家によって『雨城楊枝』に生まれ変わりました。展示品は森隆夫氏が営む雨城楊枝工房の『ふさ楊枝』。片方の先端をなめし叩いて房状にしたもので、昔は歯ブラシの代わりとして使われました。

日本の伝統 20150411-011

日本の伝統 20150411-012
のぼり鯉(のぼりこい)
手漉き(てすき)和紙・花合羽(はながっぱ)〔油紙〕を使用した展示品は河合俊和氏作の『のぼり 鯉』。享保の改革の際に 「布は贅沢故、紙を使用せよ」 とされてから和紙の鯉のぼりが作られ、今日まで受け継がれてきたものです。子どもの健やかな成長を願って中国の故事にならい、のぼり鯉と名付けられました。展示品は岐阜の小原屋製で部屋の中に飾って楽しむもの。 和紙の「のぼり鯉」は戦後まで作られ続けましたが、徐々に姿を消し今ではこの小原屋のみとなり、河合氏が13代目となります。


京葉銀行:千葉市中央区
CANON IXY 630
2015.04.11 撮影
【 2015/04/13 (Mon) 】 日本の伝統 | TB(0) | CM(0)
黒ねこ時計 くろック B03
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のぶさん

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Doblog から引越し、早いもので6年を経過し、訪問者も延べ10万人を超え喜んでおります。
千葉市に住み39年、気侭にデジカメ散歩を楽しむ、のぶさんは、孫から、ジイジと呼ばれております。
これからも、元気の証としてブログに写真投稿を続けます。(2015.06.16)

写真は、桔梗の花 
 2010.07.08 撮影

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